・公平平等な世の中で
日本という国は本当に素晴らしい国で、平等、公平、穏健の精神が行き渡っています。
市役所などでも受付順に呼び出されて、身分の低い人は後回し、なんてことはないわけで。
それが普通で当たり前。
でもちょっとだけ、ほんのちょびっと、優遇してもらえると嬉しいなぁ。
と箸にも棒にもかからないような存在の私は身の程もわきまえずに思っておりました。
それが世の中には、そんな私の小市民的なニーズをくすぐるサービスがあったんですよ。
・知らなかったクレカの底力
2015年の秋のこと。
世事に疎かった私は、長年愛用していたJCBプロパーカードを見限って他のクレジットカードを探していました。
いろいろ探すうち、何やら変わったカードを見つけました。
デルタ・アメリカンエクスプレス・ゴールドカード
ふむふむ。このカードを持っているだけで航空会社の上級会員になれる?
SFCのこともおぼろげには知っていましたが、ANAプラチナになるなど私にはとても手が届くものではないと思っていました。
それが年会費だけで手に入る?
まぁモノは試しで申し込んでみようか。大したモノでなければ解約すればいいし…。
と軽い気持ちでゲット!
・上級会員の入り口を垣間見る
アイテムを持ったら使ってみたくなるのが人情というもの。
ふーん。デルタだけじゃなく南航(中国南方航空)、東航(中国東方航空)、中華航空でも同じように扱ってもらえるのかぁ。
海外に行くにはANAよりもスカイチームの方が便利な関西国際空港という地の利もありました。
それならば、と直近で使えるシーンを探し、意味もなく台湾往復をしてみたんです。
ええ、もちろん格安のエコノミーですとも。
そうしたところ、空港では混んでるエコノミークラスカウンターを素通りして、ビジネスクラスカウンターのおねぃさんがにこやかに対応してくださり、
往復の飛行機の中では、CAのチーフさんが「○○○○サーン」と名前を連呼しながらエコノミー客をかき分けつつ私の席まで挨拶しに来られる。
まるでエチィゴのチリメンドンヤのご隠居が安宿で見つけられたような待遇で、人目を気にしてこっ恥ずかしくも嬉しいサービスは私のハートにどストライクだったわけです。
「このカードすごい!」
私の魂に、エアライン上級会員という刻印が焼き付けられました。
・デルタの限界
気を良くした私は年明け、一人を誘ってグアムに行きました。
ところが、
往きの搭乗でラウンジは使えたものの、飛行機は往復とも小さくプレエコは無い、キャビンは満席。
帰りのグアム空港では、優先レーンも優先搭乗も、使えるラウンジもありませんでした。
スタアラ会員ならラウンジが使えた! (あるいはラウンジを個別契約している航空会社なら)
楽天プレミアムカードのプライオリティパスで入れるのは私一人。
同行者に上級会員のメリットを知って欲しかった目論見が外れてしまいました。
いぁ、グアムは普通に楽しかったですよ。
一つのアライアンスに頼ってはいけない。
デルタアメックスは素晴らしいカードではあるのだけど、リスク回避の為には別の航空会社、できれば日系の上級会員に成らなければいけない!
やはり世界最大のアライアンスに加盟しているANAか!
これが、私がSFCを持とうと思った引き金でした。
準備期間などなく、費用は全部持ち出しでかなりの赤字になりましたが、
「早くプラチナになればそれだけ早くサービスを受けられる」
同じ費用を出すのなら、どちらが良いかは明白です。
そう。上級会員の味を知ってしまった私はもう、後戻りは出来ないのです。